市議会総務委員会の管内視察を行いました。

市議会議員となって3年目を迎えましたが、今年度は市議会に4つある常任委員会の総務委員会を担当することとなりました。委員会は総務、厚生、文教、建設・環境に議員が分かれ、それぞれ行政の専門的な部分まで目配りをして、課題や取組みの進捗状況を監視するとともに、研究テーマを設けて政策提言まで結び付ける重要な仕事です。総務委員会は総合戦略局、総務部、財政部、危機管理部といった行政の中心部とも言える部署を管轄しています。
5月23日には各部署の事業内容について概要の説明があり、28日は管内で進められている事業の現場を視察しました。はじめに大型店が相次いで閉店した中心市街地は、総合戦略局を中心に再活性・再設計に向けて松本城まで続くウォーカブルなまちづくりを目指して計画を立案中です。3月より公園通りでは駅前より約70mの間、土日の11時から24時まで車両の通行が禁止され、歩行者天国となっています。今後は町会の意向を確認しつつ規制範囲を拡大し、パブリックスペースに賑わいを取り戻したいとしています。

毎週末にホコ天となる公園通り
午後はアルプスリゾート整備本部が関わる上高地徳沢エリアの、この春に新装なった市営公衆トイレを見学しました。河童橋から明神池を経由し徒歩で2約時間を要する徳沢地区ですが、登山客やハイカー等年間約20万人が訪れるため、水洗化された公衆トイレ整備が望まれていました。前穂高岳の麓に3年の工事期間と約1億5千万円を投じられた新公衆トイレは、日本屈指の山岳リゾート上高地を支える重要な施設となります。 欧米でよく見られるように、利用者は100円ほどのチップをご用意いただくと助かります。PayPayも受け付けてくれるそうですのでご協力をお願いします。

前穂高岳と徳沢エリアに新装なった市営公衆トイレ
また、管理用道路から徳沢地区へ渡る新村(しんむら)橋架け替え工事も進んでいます。現在の仮橋は大雨の際に流されてしまい、徳沢地区の孤立にもつながるため、車両が通行可能なアーチ型の新橋梁を工事中です。基礎工事はほぼ終了しており、今後は全長80メートル余の橋梁本体の製作と組み立てが進み、令和11年春の供用を予定しています。意匠が河童橋の様なつり橋でなくアーチ型になったのは、景観も重要ですが橋の大きさと自然に対する負荷が最少とされる方式を採用しました。総事業費は約25億円とされています。

新村橋架け替え工事中の橋梁基礎
上高地は全国、そして海外からも合わせて年間およそ150万人が訪れる国際山岳リゾートです。平成17年の安曇村との合併で松本市の一部となりましたが、面積は松本市全体の12%を占めています。文化財指定エリアとして大切に未来へ残さなければなりませんが、国の各省庁、長野県、松本市と役割が細分化されている状況です。市では「上高地『再生と安全』プロジェクト」を立ち上げ、様々な課題に対応し世界水準の山岳公園として将来にわたって維持していくために、関係機関と協調した管理運営の在り方の研究が始まっています。
