建設環境委員会行政視察報告(2)
2日目は水素製造施設「福島水素エネルギー研究フィールドを視察しました。
2011年3月に発生した東日本大震災。東北地方太平洋沖地震およびこれに伴う福島第一原子力発電所事故により大きな被害を受けた福島県浪江町は、13年経った今でも各所に大きな地震の爪痕が残っており、町内は現在でも帰宅困難な制限地区が面積の8割を占め、人口も被災前の10分の1の2000人強と未だ復興の途中といった感がある。2018年よりNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)と国内大手関連企業が出資した、水素製造施設「福島水素エネルギー研究フィールド(Fukushima Hydrogen Energy Research Field (FH2R))」が稼働をしており、太陽光発電の電力を使ってクリーンで低コスト水素製造技術確 立を目指している。 水素は電力を大量に長期で貯蔵することができ、長距離輸送が可能で燃料電池によるコジェネレーション(熱電併給)や、燃料電池車など、さまざまな用途に利用できる。将来的には、再生可能エネルギー由来の水素を活用し、製造から利用に至るまで一貫して二酸化炭素(CO2)フリーの水素供給システムの確立が望まれている。ここで製造された水素は、主に圧縮水素トレーラーやカードル(可搬型タイプ)を使って輸送し、福島県や東京都などの需要先へ供給しており、定置型燃料電池向けの発電用途、燃料電池車や燃料電池バス向けのモビリティ用途などに使われてはいるが、製造コストより輸送コストが高く、遠距離地での使用には適していないとされる。 水素も地産地消の利活用が望ましく、将来は国内各地で製造拠点が整備され、化石燃料に代わるエネルギーとして普及してもらいたいと思った。 |